初めての方は こちら (1)職歴【人生いろいろ】 から
今回は~スナックで働いていた時のお話
「うちは~薩摩おごじょやけ~
かごんま弁(鹿児島弁)が抜けきらんとよ」
「うちは、ブスで、わこ~もない(若くない)けん
みんなが羨ましか~」
なまりのある話し方で素朴な田舎娘を演じる花ちゃん
テーブル席で一緒にお客さんに付くと~必ず私のことを褒めて来る
「まゆみちゃんはな~料理がほんとに上手なんよ
うちは、まゆみちゃんみたいに美味しく作れんしな」
「いやいやいや・・・」
私が否定をしようとすると、上から覆いかぶさる様に
「まゆみちゃんは、歌も上手なんよ
うちは音痴やし・・・羨ましいわ~」
花ちゃんは他の子を褒めちぎり作戦で
お客さんに「控えめで良い子だ」と思わせている
その話術は真似できないほど、みごとである
見た目も派手さはなく、人が良いという雰囲気だ
私だけでなく、他の人にもそうだった
「Yちゃんは可愛いから、お客さんにモテモテなんや~」
「Hちゃんは気が利くから、私も見習わないとな~」
一緒にテーブルに付くと、本人を目の前にして
歯が浮く様な褒め言葉を並べたてる
みんなが言う
「私・・・花ちゃんと一緒に接客するの嫌だわ
花ちゃんのペースに巻き込まれて
こっちが心が狭い人みたいに思われるんだもん」
悪い人ではないけれど・・・私も苦手だった
人から褒められて悪い気はしないはずなのに
花ちゃんから褒められると逆に腹が立って来る
『絶対にそんなこと思っていないでしょ』
というのがわかるのだ
口先だけの褒め言葉は~
時に相手を不快にさせることもある
ということを花ちゃんから学んだ
何度か先手を打って、花ちゃんを褒めちぎったことがあった
しかし、それも逆手に取られてしまう
「まゆみちゃんって、ほんとに優しいな~
うちがブスやから、そうやって言ってくれるんやね
ありがとな」
お客さん達はその健気な花ちゃんに魅了され
「花ちゃんは人の思いやりがわかる良い子だね~」
になってしまう
私は、花ちゃんが裏で「男ってチョロイもんやね」と
口走っているのを聞いていた
30代のバツイチ子持ちの花ちゃんは
小学生の息子とボロボロの市営住宅に住んでいると言っている
しかし、オートロックの高級マンションに住んでいるのを
私は知っている
でも、私も旦那がいるにもかかわらず
子供3人居るバツイチだと言っているのだから
(正確には死別ということになっていた)
人のことは言えない
「うちは~貧乏やから毎日の食費も500円で頑張ってるんや」
「花ちゃんは、1日500円でやってるのかい」
その言葉に心を打たれた農業をしているAさんは
花ちゃんに竹で作った手作りの貯金箱をプレゼントした
そんな素朴なプレゼントにも花ちゃんは大袈裟に喜ぶ
「え~うちの為に作ってくれたん
じゃ~Aさんが来てくれた日に500円玉を入れていこうかな
早くいっぱいにしたいんやけんど・・・Aさん次第やなぁ~」
どういう運びになったのかはわからないけど
Aさんは~お店に来るたびに花ちゃんに500円玉をあげている
ロッカーから嬉しそうに貯金箱を持って来る花ちゃん
チャリーン
「Aさ~ん、だいぶ貯まったよ
早くいっぱいにしたいな~」
早く貯めたいアピールが凄い
Aさんは花ちゃんの喜ぶ顔がみたいのか
両替して来たと思われる500円玉を
ジャラジャラと差し出す
裏でペロッと舌を出す花ちゃんの正体を
バラしたい衝動に駆られる
人がやることは癇に障るくせに~
自分も平気でうそをつく
しかし・・・それがこの仕事なのだ
「お客さんに気を持たせてナンボの世界
お客さんが『楽しかったまた来たい』と
思わせるのが仕事
その為には多少の嘘も構わない
お客さんもそんなことはわかって夢をみたいだけなのよ」
いつもママさんに言われていた
男性のみなさん
鼻の下をデレーッと伸ばすと痛い目に遭うよ
本気になっちゃ~ダメよダメダメ
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