暫くすると泣き疲れたのか
メヒはトンウンの腕の中で眠ってしまった


トンウンはメヒを抱き上げるとジイルに向かって頭を下げた


「副隊長、ありがとうございます
メヒを止めて下さって…」

「否、構わぬ
然し … 本当に強い子だな
単身、敵陣に乗り込むなど正気の沙汰じゃない
一体、誰に似たのだ?」

「多分、姉に …………… 似たのだと思います」

「……… そうか」


ジイルはトンウンの腕の中にいるメヒを覗き込むと
涙に濡れたメヒの頬を指でそっと拭った

ジイルは暫くの間、メヒの顔を眺めていたが
すっとトンウンに視線を移した


「トンウンよ」
「はい」
「私と二人の時は
そういう謙った態度を取るな」
「な...何を唐突に」


トンウンの目が一瞬、微かに揺らぐ
ジイルはじっと黙ったままトンウンを見ている


「胸は貸せんがな ……… 肩なら貸せるぞ」


その目に宿る温かさに気付いた時、トンウンはふっ、と息を吐いた


「すまない…」


そう小さく呟くとトンウンはジイルの肩に顔を埋めた


「皆が来てくれなかったら 耐えられなかった」
 

「いいって……気にするな」


宵闇の静寂の中に虫の鳴き声が響く


「よく……耐えたな」


ジイルの衣がゆっくりと湿っていく


「本当は………メヒよりも、俺の方が…………彼奴を殺………して………やりたかった」

「やはりよく似てる
お前達は... ... ... ... 泣き方も一緒だな」


トンウンの何かを堪える小さなうめき声が静寂の中に消えていった

 

 

 

 

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