灼華&ウンス編はコチラ↓

快いほど甘美な...(Cantarella)

 

 

 

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――ったく...もういい加減にしてほしい

 

 

静は無言で歩いて行く後姿に頭を下げながら

鬱々と湧き上がる苛立ちを押さえつつ

何度目かのため息をついた

 

――何でこう何度も催促する様に顔を出すんだ

  自分達の任務が思う様にいかないのは

  自分達が無能だからだろうが、まったく!

 

鬱積した感情を押し殺す様に拳をきつく握りしめる

すると

 

「只今、ジン」

 

無朔の気配を感じ顔を上げた

清々しい笑みを浮かべた無朔に対し、

静は無表情にちらりと見据えると頭を下げる


「お帰りなさい、意外と早かったですね」

「えぇ思ったよりもずっと気概がある御仁でね

 それを心身ともに

 へし折るのが中々に楽しかったですよ」

「確か、隣国の武人でしたね、その御仁

 手足を潰したのですか?」

「足だけですよ...

 まぁ五月蠅いので腕も落としましたけど」

(結局両方落としたのか...)

「まぁ、これも我が優秀な暗部の副隊長殿が

 ”部下の任務”を”押し付けてくれた”おかげですね」

「・・・」(...はは、勘弁してくれよ)

 

と、とんでもない内容を嬉々として話しつつ

さりげなく毒を吐く無朔に

静はほっとしつつも冷や汗をかいた


「ところでジン」

「.....はい?」

「だいぶ顔が怖いですね

 若しや人形から催促でも来ましたか?」

「えぇ、まぁ...よく気づきましたね」

「ふふ、分かりますよ、それくらい

 して仔細は?」

 

そう言って無朔は椅子に座った

直ぐに部下から茶が運ばれてくる

それを一口飲むと無朔は顎で静を促した

 

「依然として

 チェ・ヨン隊長の足取りは掴めていません

 ですが、無朔隊長の前に姿を現して以降、

 何度か”彼の地”付近で

 チェ・ヨン隊長の痕跡が見つかっています」

「彼の地...人ならざる者が住む地、か

 ふぅん、間違いなく態とでしょうね

 あの人はそうそう尻尾を掴ませない

 .....種を蒔いておびき寄せる算段か」

「はい、その痕跡に

 流石の近衛副隊長も気付いた様で

 影を差し向けていましたが…」

「返り討ちにあったわけか

 ふっ、人形なら人形らしく

 任務だけを遂行していればいいものを

 自我を出すからそうなるんですよ」

「王に催促されて

 内心相当焦っているのではないでしょうか」

「なるほど、だからか」

 

無朔は納得げに肯くと

静ににやりと嫌な笑みを向ける

 

「此処に戻る前にちょっと探りを入れたら、

 あの人形達が”彼の地”に向かったようですよ」

「本当に?ですが、あんなところ

 罠だと分かってて普通行きますかね
 死ぬかもしれないんですよ」
「それでも行きますよ
 王の直々の命が失敗続きで
 しかも幾ら補充は効くといっても
 かなりの人形を駄目にしてますからね
 このままでは自分自身も処分は免れない
 "死ぬかもしれない"より"失敗は死"の方が怖い

 流石の人形でもその判断は出来るのでしょうね」

「なるほど、では我等も直ぐに?」

 

静の言葉に無朔は肯くと立ち上がり部屋を出た

足早に歩きながら直ぐ後ろを歩く静に視線を移す

 

「ジン、用意は出来ていますか?」

「はい」

 

すると、突然、無朔の目の前に

黒い気配...暗部の隊員達が降り立った

 

無朔に向かって放つ殺気は

彼が任務に向かう前よりも鋭さを増し、

闘気は一層強く大きくなっている

 

 

無朔は満足そうに笑みを浮かべた

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、

腹筋ローラーなるものを100均で買いまして

早速やってみたのですが

何故か腹筋よりも二の腕が痛くなったのですが

どうしてでしょう...驚き

 

 

 

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