かなり田舎の、主要都市からも遠く、ローカル線で数時間移動し、もう二度と来ないかもしれない駅に降り立つ時、たとえ時間に追われていても、なんだか感慨深いものがある。
懐かしいような、何か。
夕暮れ時に、風に揺られる稲穂が線路の横に続いていた。
季節はもう冬なの?と思うくらい寒いけれども、稲刈りはこれからのようで、遠くでコンバインが動いている。かなり遠いはずだけど、風にのってかドドドドという音が聞こえてきた。
あたりに建物はほとんど無い。畑と家が数件あるだけ。
それでも本当に小さなコンビニが1軒あった。
25キロの重いトランクをお供に、パンとコーヒーを買った。
「またお越しくださいね」
もう来ないかもしれないコンビニで、背中越しに聞いた声。
普段も聞いているはずなのに
そう言ってくれているはずなのに
なんか心に響いた。
シックスセンス管理人