本日(16日)の大井競馬は、14頭だての12着と14着、惨敗でした。明日(17日)の『ビスケットシー』も、ちょっと厳しいと思います。でも頑張って欲しいので、応援には、行くつもりです。


本日の大井競馬は、華やかな「ハイセイコウ記念」もありましたが、1Rと2Rでは、今日が最後のレースに臨む馬たちを見送りました。

話しは、2週間前、『リックモモ』に会いに行った時の事です。いつものように『モモ』をなぜていると、向かい側の馬が呼ぶので、同じようになぜてあげていました。そこへ先生の奥様が降りてきて「この馬、今日やっとデビューしたのに大負けして、もう乗馬行きなんです。」とおっしゃいました。(乗馬とは、99%殺されてしまうということです。)まだ、2歳の若馬をたった1回のレースでとは、また、その仔馬と目が合ってしまったこともあり、かわいそうで、何とか助けてあげられないかと思い相談したところ、ほんのわずかばかりのお金で了解を得られ、引き取ることにいたしました。命が繋がることとなり、この馬の担当厩務員さんは、とても喜んでいました。現在、金沢にて、再起に向けてリフレッシュ中です。


この話しを決めた翌日、他の調教師の先生から、次の開催を最後に処分される2歳牝馬(2頭)を引き取って助けられないかとお話しをいただきました。もちろんすぐに了承しました。ところが、その数時間後、「この2頭は、1頭あたり30万円の育成補助金を馬主会から受けているため、3歳の10月までは、他の競馬場に転厩する場合、その30万円を返金しなければならない。話しは、無かったことにして欲しい。」と言われました。そして、本日、その馬たちは、最後のレースに臨み、私は、ただ見守ることしかできませんでしたが、このレースをしっかりと目に焼き付けました。


競馬場の人気を高めるために、強い馬を集めるための育成補助金の意味あいは、とても良く理解できます。しかし、弱い馬たちが、可能性を求めて賞金の安い競馬場に移って行くのを拒むこのルールは、絶対おかしいと思います。生まれてから、競馬場に入るための牧場関係者の方々、競馬場に入厩してからお世話をして下さる厩務員さんたちの気持ちは、どうでしょう。言葉を話せない、人間で言えば10代に匹敵する若馬たちの気持ちは…。

大井競馬では、成績が芳しくなくて弱い馬でも、まだ走れる馬、引き受けて手がある馬が、可能性を求めて他の賞金の安い競馬場に移籍する場合、育成補助金の返金は、免除するというルール改正をしていただければと思います。このブログを読んでいて下さる方で、馬主会の関係者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ、よろしくお願い申し上げます。