配信から結構日にちたってるけど
いっちゃん√の完レポです☆

ネタばれ等々に注意!!







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一護「何やってんだよ、こんなところで」

『いっちゃん…』

一護「そこ、お前が転校してきた時の席じゃん。
   で?物思いにふけってたわけ?」

『そんなんじゃないよ…
 ただ、ここに来るのもこれが最後なんだなって思って』

一護「ふーん…」

『いっちゃんも寂しかったりする?』


(いっちゃんは、卒業したらすぐ、パリに行っちゃう…しばらく…会えなくなっちゃうんだ…)


一護「…別に」

『そうなの?』

一護「授業とか受けなくてすむしな。せいせいする」

『そっか』

一護「ま、向こうに行ったら別の勉強が待ってるけど」

『そうだね。パティシエになるための勉強だもんね』

(なんだかいっちゃん、平気そうだな…そういえばいつも、「たった2年だろ」って言ってる…)


一護「ほら、帰るぞ。マスターが待ってる」

『そっか、卒業祝いの料理作ってくれてるんだもんね。
 でもいっちゃん、先生とか他のクラスの子に挨拶に行かなくていいの?』

一護「オレはハルや剛史と違って部活に入ってたわけじゃねえし
   別に今さら見るところなんてねえよ」


(私は、何度校舎を見ても足りないくらいなのに…いっちゃんはそうじゃないのかな)


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『この下駄箱とも、今日でお別れか…』

一護「お前、今日はなに見てもそう言ってるな」

『だって…』


ヒラッ


(ん?今、いっちゃんの下駄箱から何か落ちた?)

≪ラブレターだな(゚∀゚)卒業式だしね、気持ちくらいつたえたいよね≫



『いっちゃん、今の…』
一護「はあ…」

(え…いっちゃんの下駄箱に手紙がいっぱい入ってる!)

≪モテモテwwwさすが私の彼氏だ(〃▽〃)←≫


『そ、それ…まさかラブレター!?』

一護「直接持ってきた奴には受け取れねーって言ったんだけど
   下駄箱に入れてくるとか…はぁ」

(やっぱりすごい…いっちゃんが人気あるのは知ってたけど)


『って…隣の下駄箱、ハルくんだよね?』

一護「ああ。その隣が剛史」

『どう考えても……手紙はみ出してるよね?』

一護「だな。まぁ、ハルはもともとファンクラブがあるし
   剛史は部活で目立ってたしな。
   リュウ兄もそれなりにもらってたと思うけど…
   気づかなかった可能性あるな」


『やっぱりみんな人気なんだね。
 こんなにたくさんの手紙、見たことないよ』

一護「別にいつものことだろ」

(いっちゃん、きっと留学してもモテそうだし…)


『あれっ?』

一護「どうした?」

『ちょっと教室に忘れ物しちゃったみたい』

一護「待っててやるから取って来い」

『うん、ごめんね』

(最後の最後までドジだなあ…急いで行って戻ってこよう)




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(いっちゃん、だいぶ待たせちゃったな)

女子生徒「佐東先輩」


『あ…』


女子生徒「私、ずっと先輩に憧れてたんです。第二ボタンもらえませんか?」

一護「誰にもやる予定ねえから」

女子生徒「そう…ですか…」


(誰にもあげない…か)


一護「りな。忘れ物あったか?」

『うん』

一護「んじゃ帰ろうぜ。腹減った」

『でも、あの子…』

一護「相手にしてたらキリねーだろ。早く行くぞ」

(上着も脱いじゃってるし…私も欲しかったな、いっちゃんのボタン)




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帰り道、いっちゃんがちょっとだけ私の前を歩いている。

(…こうやっていっちゃんと一緒に帰るのも、最後なんだ。週末には、いっちゃんはパリに行っちゃって…もうあと少ししか一緒にいられない…)



一護「おい」

『えっ?』


一護「なに黙ってんだよ」

『なんだか…寂しくて』

一護「別に、卒業なんてたいしたことじゃねーだろ」

『卒業だけじゃなくて…』

≪いっちゃんがパリに行っちゃうのも、もうすぐだもんね。≫


(いっちゃんがいなくなることが、何よりも寂しいよ…)


一護「お前がそんなだと調子狂う」

『そうだよね、ごめん。なんでもない』

一護「そうやって笑ってろよ」

『…うん』

(しんみりしてても仕方ないし…明るく考えなきゃ)



『いっちゃんが出発するの…日曜日だよね』

一護「ああ」

(いっちゃんがこっちに戻って来るまで…2年。長いな…それとも、過ごしてみたらあっという間なのかな)


『もうみんなクロフネに集まってるかな。
マスターのごはん、楽しみだね』

一護「お前、オレが帰ってくるまでに料理勉強しとけよ」

≪帰ってきたら結婚しよう的な?(〃▽〃)って帰ってきてもヒロインまだ大学生かwww≫


『う…でもいっちゃんも、パリに行ったらきっと覚えることがたくさんあるね』

一護「だろうな。留学って実際は修業みてえなもんだし」

『だけど楽しみだな、いっちゃんのパティシエ姿』

一護「オレはいいから、お前はたまに写メ送れよ。
   お前の写真だけでいいからな。
   理人とかハルとか理人とか、あと理人とか無駄に写ってるのはいらない」

≪あははwwwりっちゃんのこと警戒しすぎwww≫


『りっちゃんだけ、多くない?』

一護「念のため」

『だけど、一人になったらきっと寂しくなるよ。
 毎週みんなの写真送ってあげる』

一護『いらねー』

『ねえ、いっちゃん…家族とか友達と離れ離れになって、本当に寂しくないの?』

一護「全然」

『不安とか心配も?』

一護「なるようになるだろ。今から心配してても仕方ねえし」

『そっか…私だったら、絶対ホームシックになって泣いてるよ』

一護「………」

(吉祥寺に戻ってきた時も、たまにお父さんやお母さんのこと思い出して、ちょっと寂しくなってたっけ…)



一護「…おい」

『え?』

一護「これ」

いっちゃんの手の上に、金色のボタンが転がっている。

≪きゃ♪絶対くれるって分かってたけどうれしいな(/ω\*)≫

一護「やる」

『で、でも…』

一護「なんだよ」

『誰にもあげないんじゃなかったの?』

一護「誰にもって、お前以外にはやらないってことだよ。
   卒業式が始まる前に言ってただろ、特別だって。
   オレのボタンなんだから大切にしろよな」

≪オレ様だけど、なんだかんだ優しいのがいっちゃんなんだよね♪≫


『いっちゃん…』


一護「それでもどうしても不安だったら、電話しろ。
   何時でもいい。夜中でも出てやる」


≪ああ、なんか泣きそうだ。ちゃんとヒロインが不安なの分かってくれてるんだね≫


『…うん』

(いっちゃん、さっき私が言ったこと、覚えててくれたんだ。第二ボタンは好きな人との一生の思い出だって…)



『ありがとう…宝物にする!』

一護『大げさ』


『だって…ほんとはずっと欲しかったから』

一護『ったく…こんなもんの何がいいんだよ』



ぽん、といっちゃんが頭を撫でてくれる。


『いっちゃん、私のリボン、もらってくれる?他にあげれるものないから…』

一護「じゃ、これでいいや」


いっちゃんが軽く私にキスをする。


一護「お前の大事なもん、もう、オレ、もらってるし?』

≪そうですね(/ω\*)私の初めての男だもんね♪←お前のじゃねーよww≫


『!も、もう!』

一護「なに、想像してんだよ。顔赤いって」

『知らない!』

一護「おい、待てって…」


(嬉しいな…いっちゃんがいなくなるのは寂しいけど、辛くなったら…このボタン、見てがんばろう)


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『ただいま』

竜蔵「おせーぞ!」
剛史「腹減った…」
春樹「遅かったね、2人とも」
理人「りなちゃん、おかえり」

『りっちゃん、リュウ兄も、今日は来てくれてありがとね』



譲二「それじゃ、卒業おめでとうパーティー、始めよっか」

一護「すげーな、この料理」

譲二「昨日の夜から下ごしらえして、今日の昼から準備してたからね」

理人「ところで、いっちゃん…第2ボタンは?」

一護「ねーよ」

剛史「誰かにやったのか?めんどくせーとか言ってたのに」
一護「うるせーな!仕方ないだろ、やらねーと泣くヤツがいるんだから」

『えっ、まだ泣いてないよ』


理人「ふーん、りなちゃんにあげたんだ」
一護「おい、バカ」

『え?』

春樹「絶対そうすると思ったけどね」

理人「僕の第2ボタンはりなちゃんのために、ちゃーんととっておくからね?」

≪ブレザーの第2ボタンは特別な感じしないからいらないよ(・∀・)www≫



一護「触んな。つーか、そのボタンは今スグ
   ドブにでも捨てろ。東京湾でもいい」


理人「イヤだよ、僕まだあと1年通うんだから」


譲二「はいはい、みんな注目ー!」

竜蔵「なんだよジョージ」
譲二「今日のデザートはりなちゃん特製のケーキです!」

『あ…』

(いっちゃんの送別会も兼ねて、ってマスターが言ってたから、昨日の夜、がんばって作ってみたんだよね)


一護「あれ、お前が作ったのか?」

『うん…昨日、マスターに教えてもらいながら』

理人「すごーい!『いっちゃんパリに行ってもがんばって』って書いてる!」

剛史「うまそう」
春樹「○○、お菓子作るの上手になったよね」

≪そりゃ将来ケーキ屋に嫁ぐんですからね(`・ω・´)キリッ≫


一護「けど、まだ形が悪いな」

『う…ごめん』

理人「もー、素直に喜べばいいのに」
譲二「それじゃ、一護から一言」

一護「は?」

譲二「留学の意気込みでも語ってよ」

一護「そんなもんねーよ。
   きっちりやることやれば、それだけの結果はついてくるだろ」

理人「いっちゃんがまともなこと言った」

一護「おい!」


(やっぱりみんなといると楽しいな。だけどこうして過ごせるのも、いっちゃんが出発する週末までなんだ…)



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『ん…』


(あれ?私、どうしたんだっけ…?あ、そっか…みんなでパーティーして、なんだか疲れが出て寝ちゃったんだ。みんな寝てる…けど、向こうで誰か、起きてる?)



一護「…ああ、頼む」

春樹「うん。ちゃんと報告もするから」

一護「お前になら、安心して任せていける」


『いっちゃん…ハルくん?』


一護「!」

春樹「○○…起きたの?」

『うん…2人も起きてたんだね』

一護「あ、ああ…」

春樹「じゃあオレ、みんなを起こしてくるよ。このままじゃ風邪ひくし」

(2人とも、なんか慌ててたみたいだけど…どうしたんだろう)


一護「なあ、ちょっと外に出ねえか?」

『外?』

一護「抜け出そうぜ」













後編に続きます☆