みなさん、こんばんは
バタバタしていてまたまたブログをさぼっていました
さて、私は2月、3月、4月と仙台と山形でレキサルティの講演会をしてきました。
ちょうど昨夜も山形で講演させていただき、今日飛行機で戻って夕方から診察でした。
まず初めて訪れた仙台空港が綺麗だったので驚きました。
会場までのタクシーの運転手さんが、空港の防風林の葉っぱがスカスカなのを指して、
「あの辺りまで津波が来たんですよ」と教えてくれましたが、
東日本大震災の傷跡ってまだまだ残ってますね
そして昨日は山形も最高気温23度と暖かくて驚きました。
山形空港は便数が少ないため、仙台空港から移動したのですが、
タクシーの窓から見える山々の頂には雪が積もっていて、
雄大な山々を見渡しながら、自然の中で癒されて来ました。
レキサルティに関しては以前もブログで書きましたが、
エビリファイの改良版という側面もありますが、
多元受容体抗精神病薬(MARTA)と言われ薬にも似ている印象です。
抗うつ作用や抗不安作用もあり、意欲や睡眠の質を向上させてくれます。
私が一番良かったと思うのは、患者さんに意欲が出てきたことです。
やりかけで放置していた刺繍を取り出してきてまたやり始めたり、
ミシンを出してきて久々に裁縫をしたという方もおられました。
それまでやる気が出ずに、眠いわけでもないのに横になってばかりだった人が
起きて部屋を片付けられたり、驚くような効果が出ることもよくあります。
まきメンタルクリニック(←リンクあり)では、今年に入って年度末まで忙しいのに
まったくやる気が起きないという方に、適応外処方である旨を了承していただき、
3月末までの期間限定でレキサルティ0.5㎎を処方したとところ、
2週間後の受診日に、
「あの薬飲んでからものすごく意欲がわいて怖いくらいなんですが、大丈夫ですか?」
と言われました。もちろん、安全性の高い薬で、中断症状もありませんので、
自信を持ってお勧めできるのですが、他にもこうした意欲がわくという感想を
よく患者さんから耳にします。
実は意欲の減退は社会復帰を妨げる大きな要因です。
抑うつ気分が改善しようが、幻覚妄想が改善しようが、意欲が湧かなければ、
外へ行こうという気にもなれません。
ですからこうした意欲の改善は治療をする上で重要なポイントです。
一方で、副作用のかなり少ないお薬ですが、ないわけではありません。
女性にとって困るのは体重増加でしょうか。
しかし多少体重が増加しても症状が劇的に楽になったので
このまま内服を続けたいという方がほとんどです。
ざっくりいうと20人に1人くらいは体重増加があるとされていますが、
実際には10人に1人くらい体重増加がある印象です。
極論はその1人に当てはまらなければ大丈夫なのですが、
実際に自分の体重が増えて嬉しい人はいないと思うので、困ったものです。
ミルタザピンという抗うつ剤(薬品名:レメロン・リフレックス)も非常にいいお薬ですが、
副作用で眠気や食欲亢進による体重増加を認めます。
眠れない、食べられないという時には非常に良いですが、
女性にはなかなか処方しにくいお薬でもあります。
ただし、レキサルティ同様、効果も非常に高いお薬です。
何一つ副作用のないお薬というのはありません。
効果が十分期待できて、かつ副作用の少ないお薬を選ぶことも大切ですね。
副作用かなと思ったらまず相談してみましょう。
Writen By まきメンタルクリニック 院長 西崎真紀
では今日はミスチルのヒーローを贈ります