■裏声の純化によって目指していく純粋な裏声
その声の定義について解説します。

 

実践発声学

純粋な裏声

この項目における学習項目

純粋な裏声とは
ピュアファルセットとオーラルファルセット
外喉頭の動き
内喉頭の動き
入りやすい不純物

この項目の到達目標

到達度確認
裏声に必要な機能が何かわかる
純粋な裏声の発声時に働く外・内喉頭の働きが理解できる
純粋な裏声を獲得するための方法について理解できる
純粋な裏声を目指すにあたり、注意すべき内容がわかる

 

◆純粋な裏声とは
・純粋な裏声 = 裏声の発声に必要な機能のみで出す裏声
 必要な機能 = 声帯伸展+声帯粘膜波動(+声帯閉鎖)
 ※裏声発声には声帯伸展と声帯粘膜波動の2つの機能が必要だが、響きを出すために声帯閉鎖も入れる
  ここで言う「純粋な裏声」とは、地声系の働きが入っていない声の事。

◆ピュアファルセットとオーラルファルセット
・ピュアファルセット =上記の純粋な裏声が完成した状態の事。
 裏声発声に不要な筋肉の活動が一切見られない状態
 理論上この状態での発声はB3~B4の1オクターブ内でのみ可能とされている。

・オーラルファルセット ピュアファルセットを習得するための発声訓練法、および声種
 息漏れの激しいストレートトーンの「ウ」母音で裏声を発声する
 これにより現在可能な最も純粋な状態の裏声が出るとされる
 ※オーラルファルセットでは声帯閉鎖を行わない。その為息漏れを激しくする必要がある

◆外喉頭の働き
 喉頭の真下への引き下げ + 斜め後上方への引き上げの2つの働き
 ・引き下げ 主に胸骨甲状筋を使って、喉頭を胸骨に向かって下方に引き下げる
 ・引き上げ 主に茎突咽頭筋を使って、喉頭を耳の後ろの方に向かって後上方に引き上げる

 上記2つの働きによって甲状軟骨が前下方に倒れ、声帯伸展が促進される

◆内喉頭の働き
 声帯伸展 + 声帯粘膜波動 + 声帯閉鎖の3つの働き
 ・声帯伸展   = 輪状甲状筋+後輪状披裂筋により声帯を引き伸ばし緊張させる
 ・声帯粘膜波動 = 弾性円錐緊張効果によって声帯粘膜の2層構造を作り、粘膜波動しやすい状態にする
 ・声帯閉鎖   = 外側輪状披裂筋+披裂間筋により声帯を内転させる

 上記3つの働きによって、響きのある透き通った綺麗な裏声が完成する
 ※1.本来の純粋な裏声には声帯閉鎖の必要はなく、声帯伸展と粘膜波動のみで発声される
   しかし、声帯閉鎖をかけないと声量が出せず声も伸ばせない
   その為ここでは声帯閉鎖も加えた3つの働きでの声を紹介している。

 ※2.純粋な裏声獲得のための発声方法であるオーラルファルセットでは、声帯閉鎖は行わない
   その為息漏れの激しい小声での裏声発声となる

◆入りやすい不純物
 ・内甲状披裂筋    地声にする筋肉、これを抜くのが純粋な裏声の最難関
 ・その他のノイズ成分 ガラガラとした音色になる働き、音色により2つの動きに分かれる
            エッジボイス=外甲状披裂筋 / ダミ声=仮声帯筋
 ・舌骨上筋群     音程上昇により入る、顎周辺を固めてしまう働き
            これによって内甲状披裂筋が入りやすくなってしまう

 

 

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