蝉が鳴き始めた
あの夏の日の様に
貴女と沢山の海を
見たね
4歳 日本の南の海
6歳 ハワイの海
8歳 グアムの海
10歳 沖縄の海
12歳 日本の東の海
何度も、何度も
一緒に潮風に吹かれ
水飛沫に顔を背けながら
笑ってた貴女
波はそんな貴女の全てを
眺めてた
河川敷の花火
汗に絡んだ浴衣の裾
人の波に押されながら
熱気に
むせ返る
うなじの一雫
上がった花火
貴女の横顔色とりどり
瞳の中に映る
絵の具色
綺麗だったよ
花火なんかより
何げに反射していた
貴女の長い睫毛が
海も
空も
月も星も
花火も
ふたりの思い出
何ひとつ
持たせず
あの夏の日
貴女の運命を呑み込んで行った
私の想いを
知っていたはずなのに
あの子が
始めて産声をあげた日の事を
あの子が
始めて立った日の事を
あの子が
始めて話した日の事を
あの夏の風景が
無情に壊したとしても
私は忘れない
貴女が始めて私の胸の中に
抱かれた日
美しい娘に成長してくれる様
願った事を
今も決して忘れない
今年も夏は
何も変わらず訪れる
そして貴女は
又一歩
大人の女性へと
近づくのだろう
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つたない詩にお付き合いくださり
いつもありがとうございます。
他愛もないひとりの少女との想い出を
馳せて見ました。
人それぞれ家族、子供達への
思い出や感じ取るものは環境により
違いはあれど日々大切に刻んで行きたいと
思います。