第11回「夜霧」あらすじ

ある夜、邦男は転勤が決まった同僚と飲んだ帰りに、駅で若い女性が三人組
の男にからまれているのを目撃する。その時は気にもとめず帰宅すると、次
男・光彦が空手を習いたいので月謝を出してくれと頼んできた。その動機が
喧嘩に強くなりたいということだったので、邦男はダメだと一喝するのだっ
た。



翌朝、邦男は出勤途中の駅の掲示板で、駅構内で傷害事件が発生し目撃情報
を募っていることを知った。被害者は昨日見た若い女性だった。邦男は通報
すべきか迷うが、同僚は面倒なことに関わるのはゴメンだと通報するなら一
人で目撃したことにしてくれと言い放つのだった。
その日、長女の理恵が不良にからまれているのを通りがかった木原老人が助
けに入り、ケガを負ったことを知らされ、邦男は病院へお礼と見舞いに出か
けるのだった。



邦男は木原老人の行動に感動し、自分が目撃した事件を見て見ないフリをし
ていたことを恥じ、警察に自分が目撃したことを告げに行った。その通報で
三人組の男のうち、一人が逮捕された。
しかし、その日から森岡家に不審な電話がかかってくるようになった。
余計なことはするな、目撃したことを取り消せといった脅迫電話であった。