私のラジオ「ハリある暮らし」を聞いて、今日お越しになった奥様とのお話。ピアノ歴うん十年だそうで、家にグランドピアノとアップライトピアノがある!という驚きのおうち。

 

好きな演奏家は、と訊ねると「アルゲリッチ。マルタ・アルゲリッチです」と。

 

なんと一人称単数に出てきたピアニストではないか。

 

村上春樹氏が「そしてマルタ・アルゲリッチの謝肉祭を聞きたいと思っているのは僕一人ではあるまい」とのたまった、まさにその人。

 

実は、昨夜私はシューマンのトロイメライのピアニスト聴き比べで、彼女のピアノを聞いたばかりだった。

 

一人称単数から始まった数々の連鎖がとても楽しい。

 

その後に来院された方とは、ゴルドベルグ変奏曲についてしばし談義。

 

この曲を一押しにしていた患者さんがおられるが、ようやくその意図が理解できた。人間業とは思えない作曲技法。そして整然とした美しさ。

 

昨日は、しばしバイオリンの練習をしたが、バッハの楽譜を見る目が、ガラリと変わってしまった。

 

曲を弾くということは、その作曲家とのふれあい。今後は天才たちに敬意を払って弾くことにしよう。