今回はネカフェバイト時代に実際にいたスタッフの話です。
登場人物(仮名)
○私・・・大学生の新入りバイト
○舟田さん・・・大学生のバイトで、バイト歴2年目の先輩
○神山さん・・・30代のベテランフリーター
私がインターネットカフェでアルバイトを始めて、2か月ほど経とうとしていました。
業務にもだいぶ慣れてきたので、時間的にも余裕ができて色々好きなことをできるようになり、空き時間に漫画を読んだりするほどにまで成長(だめですが笑)
そんな慣れたバイトの日々で、あることに気付きました。
それは、お金の管理の杜撰さです。
というのも勿論、レジでやり取りするお金や在庫がある商品の売買に伴うお金の移動は記録に残るのですが、一つだけ管理されにくい商品がありました。
それは”シャワー料金”です...
シャワーはお客さんが希望した際に、代金と引き換えにシャワールームの鍵を渡すという仕組みであり、ほとんどのお店でもそうだと思います。
しかし私のお店では、いちいちレジに打ち込まずに鍵だけ渡しても(代金だけもらう)、ほとんどの場合ばれません。なぜならワンオペなので、他のスタッフに見られないからです。
ただし、監視カメラはあるので、何時に誰がシャワーに入ったかは確認可能です。ですが監視カメラは何か問題が起きた等のよっぽどのことがない限りは遡っての確認はありません。
なので、シャワー料金(100円)を受け取って、レジを打たずに鍵だけ渡せば完全にポケットマネーにすることができてしまうのです。シャワーに在庫はないし、タオルも大量にあるので少し減っても違和感はないです。
1日の勤務で5~6人くらい入るので、1~2人だけレジで入力しておいてあとはそのまま懐に入れれば...なんて考えついてから、あらゆるばれ得る可能性を模索。
ず~っと考えていたのですが、これは完璧な犯行になる!
あるとすれば、よほどこまめに監視カメラの映像を逐一確認でもしない限りバレない!!
そう確信したまさに数日後、ある事件が起きます…
なんとバイト2年目の舟田さんが突然クビになったという知らせ
店長に理由を聞いたのですが、伏せられていて聞き出せませんでした。
さらに数日後、バイトのスタッフ間でとある噂があったのですが、
舟田さんが解雇された理由が金銭上のトラブル(不正)によるものという噂でした。
舟田さんは締め作業のレジ締めで、余分に余ったお金を専用の箱に入れずにそっと懐にいれることで有名でしたので、おそらくそんな感じのことだろうと他のスタッフが推測。
その場は満場一致で「そんなところだろう」、となり私も納得。
しかしその数日後、ベテランの神山さんと交代で少し話したときに、衝撃の事実が発覚。
なんと、舟田さんが店長に不正がばれたきっかけとなったのは、神山さんだというのです。
○その経緯
・夕方舟田さん勤務時、少し早めに深夜の神山さん到着(神山さんはいつも2時間くらい早く来る)
・舟田さんがレジから離れているときに、ポツンと小銭(300円)が置かれているのを確認
・このお金は?と神山さんが舟田さんに尋ねると、少し焦った感じで店のお菓子を買うつもりだったと説明
・次の日の朝、締め作業で前日1日に売れた商品の確認時、シャワー0という項目に気付く
・夕方からの引継ぎをしてからシャワールームの清掃をしていると、かなり使用跡があり、使用済みのタオルも多い
これらの流れで神山さんが不信に思い、すぐさま監視カメラを確認。
舟田さんの勤務時間の映像を見ると、3人ものお客さんがシャワーを利用したことが分かります。
これで、さっき謎のレジにある300円の説明もつきます。
舟田さんのクロを確信した名探偵神山は、店長に報告し、解雇という処分になりました。
私が気付いた犯行の手口がまさにタイムリーで行われており、しかも検挙されるという衝撃の事態でした(笑)
神山さんが勤務時間よりもかなり早く来ていて、遅くまで残って残業するというスタイルが、今回の犯行を見抜いた要因だと思います。
どんなに完全そうな犯行も、どこかで見破られる。
しかもそれは誠実に頑張っている人によって引き起こされるのかもしれません。
なんにせよ。真面目に堂々と日々頑張っているのが1番ですね!
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スタッフ・客は個性あふれるキャラクターばかりで、そんなキャラを面白おかしく描写、治安の悪い地域に位置しているお店だけあって、問題を起こすお客も。
元NO.1キャバ嬢、大事故で死にかけた過去を持つフリーター、金を持っているのにネカフェ暮らしの常連客など、濃いキャラクター達のリアルに直撃した完全実話のノンフィクション。
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