父親、


終末病院に入れられて、衰えきって死んだ


私がうちを出る前から、父親も母親もおかしかった


私が発狂しそうになって、無理やり結婚してうちをでた時


病院のこと、父親の交通事故の処理、放浪癖、母親の請求書の放置(それで電気や電話が点かなくなったり)、その他諸々の問題も、直しても言い聞かせても、父親は受け付けなかった


後ろ髪引かれながらの引っ越し


でも、頭痛の種がなくなって、私はかなり生き返った


その後半年


母親が倒れ、父親の面倒を見に実家に戻った私は


co-opの宅配のおかずも食べられず、ご飯をありとあらゆる鍋で炊いてすべてが黴ている、炊飯器も使えなくなった母親の残骸を知る


そして、同じくおかずの食べ方も忘れてしまった父親の卑屈な顔


一週間、ご飯を届けに通ったが


近所の人から、私が手配しておいた入浴サービスを断られていることなどを聞いた


下着が汚れていることが理由だ


母親はもう洗濯を一切せず、パジャマさえクリーニングに出していた


下着は、溜まったら私が洗っていた


でも、父親の下着はかなり汚かった。私は2度洗いしていた


だから入浴を断られたのだろう


思えば、ああしたらよかった、こうしたらよかった、と思うことが沢山ある


それぐらい父親の死は、惨めだった