エステにハマりだした僕

この日も仕事で埼玉へ

一度はまってしまうととことんのめりこんでしまう性質の僕は

特に考えもなしにまた予約を入れてしまった。

まだまだ新入社員でひよっこの僕

給料だってたかが知れている

90分で1万2千円で得られる癒しに金銭感覚なんてあっという間に狂ってしまった

今日で3回目の来店

3回目ともなると、互いの距離も少しずつ縮まってきて

自然とたわいもない話に花が咲く

お互いの仕事、恋愛、家族、故郷・・・

ようやくエステティシャン以外の面の彼女が見えてきた

少しずつ顔もしっかりと見れるようになってきて

案外スタイルなんかもいいんだななんて気づいたりして・・・



背面での施術中

だらんと垂らした両腕に彼女の太ももが触れる

手の甲越しに彼女の温もりが伝わってくる

わざとなのかどうなのか

つかず離れずの距離で触れ続ける手と足・・・

手の甲ではなく、手のひらで触れたい・・・

そんな下心が見え隠れした途端、すこし自分が嫌になる

出来る限り紳士でいたいと思ったのだ

でもきっと男なんて大なり小なり皆似たようなところがあるのだろう・・

ひょっとしたらもっと大胆にオイタに転じる強者もいるかもしれない

手のひらを反す or 返さないで悩んでいる僕なんて馬鹿なのかもしれない

でもそんな些細な攻防がマッサージの一つの醍醐味なのかもしれないとこの時思い始めた・・・・

案外この世界、奥が深いものだ



施術は進み、いつもの鼠蹊部のマッサージへ

すこしいつもより大きめに足を広げ、少しばかりの攻防を楽しもう!

そう思っていた

徐々にセンシティブエリアへ近づいていく手

しかし・・・なんかいつもより侵入ゾーンが深い気がする・・・

紙パンツの下側へ少しだけ、ほんの少しだけだけど手が滑りこんでくる・・・

決して触れてはくれないけれど、ギリギリのところまで責め立てられる

紳士でいよう!そう誓った数分前の自分に申し訳ないくらいに息子は元気になっていた

そんな僕の反応を楽しむかのように技を繰り出していく彼女

自由自在に動き回る手になすすべもなく悶絶するばかりだった

どれほどの時間がたっただろうか?

数分が数十分に感じるほどの世界だった・・・

興奮も頂点へ近づき、誰がどう見ても僕の気持ちは痛いほど彼女につたわるような展開だった

それでも時は無常にもホイッスルを告げた

そう、何もなく、何も起きずに、マッサージは終わったのだった

「お疲れ様でした♪」

いつものように笑顔の彼女

こんな時、どう反応すれば良いのだろうか?

駄々をこねるべきなのだろうか?

それとも紳士に「ありがとう」というべきなのだろうか?

僕は素直に後者を選択していた・・・・

「ありがとう」

「どういたしまして♪」

小悪魔な笑みを浮かべる彼女に僕はますます虜になっていった・・・・