もう終わりにしよう」という映画があった。

 

しかし今日の話はここから始まる。

 

「この間、横断歩道を普通に通り過ぎたら罰金とられちゃってさ。」

 

人が待つ横断歩道を車が通過すると2点引かれて罰金9,000円だそうだ。

車も自転車も持たない自分にとってはなんの問題もない。交通事故死が年々減少傾向にあるのも素晴らしいことだと思う。

 

では、

横断歩道のない道路を通過するとどうなるか?

というニュースが流れていて聞き耳をたてた。どうもひかれた方はその後息をひきとったらしい。80代の高齢者。そして運転者は60代だという。老老介護ならに老老事故。又は老老殺人?

 

交通事故の話題というと2019年の池袋の交通事故があまりにも悲惨極まりない。轢き殺した運転者が80代の高齢者で、轢き殺されたのが若い女性と幼い子供だったものだから問題が大きくなった。

このふたつは全く同じ事故なのに、どうしてこうも印象が違うのだ。池袋の事故に関しては、加害者が「上級国民」だったから余計はなしがややこしくなっている。例えば、自分があのときあの母娘を轢き殺していたら、その場で逮捕は間違いない。しかしあの方は元官僚だから逮捕すらされなかったのだ。

 

被害者のご主人も気の毒だ。その後様々な活動を重ねてはいるが、失ったかけがえのない命はもどらない。しかもそうこうしているうちに加害者の高齢ドライバーは禁錮5年の刑を終えて出所するだろう。

自分なりの結論は「加害者にならないために車も自転車も持たない。」というものだが、それが本当に正しいかは誰も判定できない。しかし少なくとも80代の高齢者を轢き殺した同世代、60代の運転手にはならくて済んだというものだ。これは進化を止めるしなかいという短絡的な結論ではある。

 

では、横断歩道を渡らなかった80代の男性はどうなるのだ。80代の運転手が80代の歩行者を轢き殺したのならよかったとでもいうのだろうか。

 

誠に世の中は理不尽極まりなくできている。生きるべきものが死に、死ぬべきものが生きている、という言い方が正しいかどうかもわからない。そんな矛盾した世の中を我々はまだまだ生きるしかないのだろうか。

 

このあてのない自問自答も愚かだと思う。仕方がないので、今日も「もう終わりにしよう」。残念だが。