大昔、当時、つきあっている男がいなかった頃。

気をきかせた友人が、誰か紹介してあげる、と声をかけてくれた。



いったいどんな人を紹介してくれるのだろうかと待っていたら、

返ってきたのは、こんな答えだった。

「ごめん、やっぱり紹介できなくなっちゃった。」


ん?

と思って聞いてみると、

どうやらその相手の男性は、煙草を吸う女性はNGとのこと。


今から、20年近く前の話である。




煙草を吸う男性とはつきあえない、という女性はあまりいないと思うが、

煙草を吸う女性とはつきあえない、という男性は、

実は、けっこうな率で存在するのではないかな、と。


最近、思うようになった。



かつて、ワタクシを好きだと公言してはばからない、一人の阿呆がいた。

よくデート(?)にも誘ってくれたし、

その気持ちは透けて見える感じのわかりやすいものだったので。


いったい、いつこの人は、本気モードで口説いてくるのだろうか。

と、こちらは冷めてはいるが、

その結末を見てみたいが為にデート(?)のお誘いに応じていたような節も、まったくないわけではなかったので。(わりと悪趣味か)



静観し続けていたのだが、

いつまでたっても、本気モードの口説き態勢には、

はいらない。



ん?

と見続けている間に、数年以上もたってしまったとある日のこと。



その理由がわかった。




「〇〇さんとは、明日からでもすぐ交際(←表現が古くないか?)したい気持ちがあったんだけど、煙草が・・・。




そうか。

そんな理由だったのか。


単にずっと不思議で、

この人は意外とシャイなのかと思ったりもしていたが。


伏兵は、こんなところに隠れていたのか。




ブルータス、お前もか。 ← 特に関連なし。





余談になるが。

しかし、この男、

煙草がダメでワタクシに本気モードを見せなかったかと思ったら、

あら不思議。

ワタクシを追いまわすのをやめた後、

とある女性と、いつのまにかおつきあいしていたらしい。

ところがこの女性も、喫煙者。

喫煙者であるが、ワタクシよりも10歳若かったそうだ。

(これは、相当ポイントが高いねぇ・・・。)



若さに目がくらんだのか、愚か者よ。(?)



一緒に、台湾旅行に行ったとき、

彼は、空港で、喫煙室に引っ張っていかれたそうである。

そのとき、思ったそうだ。

「彼女とは、やっぱり、これ以上つきあえない。」と。


旅行は楽しかったそうで、いまだによい思い出になっているそうである。

「いやぁ、ほんとに楽しかったなぁ。」

と、嬉しそうに旅行の話をしていたのが印象的である。

(そんなに楽しかったのに、その後すぐに、なぜ別れてしまったのだ?)


彼の方から彼女に別れ話を切り出すと、

相手もそれまでいろいろと我慢していたのか、ボロクソに言われたそうである。





煙草がダメなのがわかっているなら、

最初から、煙草を吸わない女とつきあえよ。



と。

もっともなアドバイスをして、お互いの会話は終了した。




ま、いろいろ思っていても。

目の前の山に登ってみたくなること って、

きっと、あるんだろうね。