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両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

以下朝日新聞デジタルからです

総務省は4日、4月1日時点の15歳未満の子どもの数が前年より33万人少ない1401万人で、43年連続で減ったと発表した。総人口に占める割合も前年比0・2ポイント減の11・3%で50年連続の減少。いずれも比較可能な統計が残る1950年以降の過去最低を更新し、75年に2723万人で24・3%を占めていた子どもの数は、50年でほぼ半減した。

 

 

 

体外受精の保険適応が始まり保険で治療を受ける方が多くなりました。

現在10人に1人は体外受精で生まれています。保険をより浸透させルールをわかりやすくし、何より年齢制限や回数制限を外すことが少子化対策には欠かせないことだと現場の医師として感じます。

年齢や回数が超えたので治療を諦めます。治療のお金を国が出してくれるならもう1人産んでも良い、そう答える方が多くいます。是非国は再検討をお願いします。

主人がお酒もやめずタバコも減らしてくれません。私が言うと機嫌が悪くなります。何とか方法はないでしょうか?

 

このようなご質問がありましたのでお答えします。

 

この様なご主人がいることは事実でありかなりの奥様が苦労されています。

過去に動画を作成しましたのでこちらを見ていただく事が良いかと思います。

 

 

 

近年PPOSが広く行われております。この今月号の論文ではPPOSとアンタゴニスト法を比較検討しています。今月号の論文です。

 

体外受精中の排卵抑制において、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(MPA)とアンタゴニストの効果を比較しました。

対象は2020年から2023年までの18歳から44歳の患者で、自己卵子を用いたIVF治療を受けた418人がMPAプロトコル、419人がアンタゴニストを受けました。

結果、MPAグループでは早期排卵の発生はゼロであり、アンタゴニストでは1.2%でした。

採取卵子数、胚の質、妊娠率において両グループ間で差はありませんでしたが、MPAグループは約491ドル低く、通院回数が1回少なく、サイクルあたりの注射数が平均5回少ないという追加の利点がありました。

この研究は、MPAがIVFサイクル中の排卵を効果的に抑制し、同等の成績を示しつつ、患者のコスト節約と便利さの向上を実現していることを示しています。

 

PPOSはアンタゴニストと同等の効果を持ちながら、早期排卵の発生を完全に抑制する可能性があることです。さらに、MPAを使用したグループは、治療費用が少なく、通院回数が少ない、そして注射の回数が少なくて済むなど、患者にとっての利便性が高いというを示しています。

 

ただPPOSには大きな欠点があり新鮮胚移植ができないことです。高齢や卵巣機能が低下している場合凍結に向かない卵子があり融解時に変性をしたり拡張しなくなります。このような場合レトロゾールやアンタゴニスト法を選び新鮮胚移植を目指すべきです。また凍結胚移植は子供への負担も増えるという報告もあります。

そしてPPOSは費用が安いと書かれていますが凍結融解の費用は必須となるし移植が1ヶ月先になるなど時間的なコストも考えると必ずしも患者にとってフレンドリーな刺激方法とは言えません。

そして1番の懸念点は多くの医師がPPOSしか選ばないことです。診察回数が制限された保険の弊害であり若い先生はPPOSしかできないと思われます。

生殖医療専門医として一番優先すべきは患者さんに合わせた治療法でありあらゆる刺激を知った上で最適な刺激法を選ぶことです。

 

Fertility and Sterility® Vol. 121, No. 5, May 2024

Oral medroxyprogesterone acetate for the use of ovulation suppression in in vitro fertilization: a cohort trial

夕方に時間が取れたので久しぶりに打ちっぱなしにきました。

天気も良くとても気持ちが良い気候でした。

3年くらいはラウンドしていませんが、

結構意図した球が打てコースを回ってもそこそこのスコアが出せそうです。

若い時に狂ってるくらい練習したので体が覚えているものですね。

 

現在定期的に筋トレをしていますが、

マッスルメモリーというのがあることを知りました。

一度筋肉をトレーニングして発達させた後、一時的にトレーニングを中断して筋肉量や筋力が低下しても、再びトレーニングをはじめた際に筋肉が元の状態に戻る過程を指しているそうです。

体の状態を遺伝子レベルで記憶しているそうです。

顕微授精を選ぶケースが多くなっており問題視されています。特に男性因子がないにも関わらず高齢だから、不安だからと顕微授精を選ぶことは根拠がないと多数指摘されています。

今月号の論文ではまさにそこを調べており大規模なデータのため参考になると思われます。

 

男性因子が無い場合体外受精と顕微授精のPGT-Aの結果と出産率を調べています。

男性因子が無い場合のPGTを受けた30,446のサイクルが調査され、その中で4,867がIVF、25,579がICSIでした。

正常胚の割合においてIVFとICSI間で有意な差は認めらませんでした(それぞれ41.6%対42.5%)。

出産率も同様に差はありませんでした(それぞれ50.1%対50.8%)

 

結論:男性因子が無い場合、IVFとICSIの間で正常胚の割合や出産率に有意な差は認められませんでした。

この論文の言いたいこと

男性因子が無い不妊において、PGTを行う体外受精と顕微授精の間で、移植に適した胚の割合や出産率に有意差がないということです。つまり通常のふりかけと顕微授精のどちらを選択しても妊娠に至る成績に大きな違いはないということを示しています。

結論として男性不妊がない場合顕微授精を選ぶメリットは全然無く、費用の無駄であり、迷わずふりかけを選ぶべきと言えます。

 

Fertility and Sterility® Vol. 121, No. 5, May 2024 

Comparison of outcomes between intracytoplasmic sperm injection and in vitro fertilization inseminations with preimplantation genetic testing for aneuploidy, analysis of Society for Assisted Reproductive Technology Clinic Outcome Reporting System data

東京都からの助成金が開始され多くの方が希望されていると報道されています。

当院でも分かりやすく説明する様にしております。

遠方の方や忙しい方が多いため毎回オンラインでセミナーを開催しております。

 

どこのクリニックも同じなのだろうか?

他との違いは?

私に合う施設は?

採卵は痛くないのかな

ピルはやめたら採卵すぐできるか?

 

この様な質問に対しても全て答えております。

興味がある方はぜひご参加ください。

私が毎回説明しております。参加費は無料です。

お申し込みはこちらから(所要1分)

 

 

なおピルに関してはやめて来た最初の生理から採卵が可能です。

特に間を空ける必要はありません。

妊活していますがカフェインとかも含め何に気をつけたら良いかわかりません。色々とネットには書かれていますが成功体験というか本当にそうなのかという話も多くあります。エビデンスを載せているものはまずありません。この辺りを教えてください。

 

この様なご質問がありましたのでお答えします。

 

この様な質問は実に多く受けます。

過去の説明会の動画に妊娠に良い食生活というタイトルで作成したのでぜひご覧ください。

 

 

今日の午後は少し時間が取れたのでクリニックから日本橋まで歩きました。

途中京橋に新しいお店が出来ていたり、また以前からあるお店を久しぶりに覗いてみたりと結構新鮮でした。

明治屋の本店も見てみましたが他の明治屋には無い珍しい商品も多く驚きました。

近くにいて中々行かない京橋や日本橋ですが高層ビルも建設しており今後ますます盛況になりそうで楽しみです。

また丁度京橋の警察博物館で演奏が始まっており通りすがりですが聞けたのも新鮮でした。

 

この八重洲、日本橋、京橋をYaesu、Nihonbashi、Kyobashiの頭文字をとってYNK=インクと呼ばれているようで今後かなり再開発が見込まれております。

40階くらいの高層ビルがここ数年で10件以上できるようです。

 

 

不妊の原因がわからない原因不明不妊が多く認められます。

原因がわからないので治療法が選びにくい反面様子を見るケースもあり授かりにくくなります。

その一方すぐに治療を開始することが過剰ではとの指摘もあります。

今回の論文ではその辺りを調べ指摘しています。

 

原因不明不妊のカップルに対して、自然妊娠の可能性を予測するモデルを使うことで、どのカップルが治療を始めるべきか、またはしばらく様子を見るべきかを判断できると述べています。

 

この予測モデルは、特にハウノルトのモデルに基づいており、自然妊娠の可能性が高いカップルには即座に治療を始める必要がないことを示しています。

 

一方で、自然妊娠の可能性が低いカップルには、より積極的な治療方法(例えばIUIや体外受精)をすぐに始めることが推奨されます。

これにより不必要な治療を避けカップルにとって最も効果的な治療法を選択することができると述べています。

 

 

Fertil Steril® Vol. 121, No. 5, May 2024

Evaluating prognosis in unexplained infertility